カンボジアからベトナムへ
東南アジアの旅は暑いばかりじゃない!?
いやいや、基本的にはムッとする湿気の中を旅するのだけど・・・
移動時のバス、コイツがクセモノで、エアコンが効き過ぎていて寒いったらありゃしない
VIPバスだかなんだか知らないが、エアコンの効きだけは超VIP!!
でも、ベトナムに向かうバスはなかなか本当にVIPで、水と軽食は出るし、国境越えも係員がパスポートを集め全部やってくれたおかげで、暑い中イミグレーションの列に並ばなくて済んだので楽な移動だった
ベトナム、ホーチミン、ファングーラオ通り
ここも有名な安宿街
必要な施設はすべて揃っていて、特に不便もなくやっていけるのだが、どうもあんまり好きじゃない
東南アジアを旅する旅人なら必ずと行っていいほど訪れるタイ、バンコク、カオサンロード
雰囲気や性質は同じようなものだが、なんだかファングーラオは好きじゃない
理由らしい理由はないから、ただ肌が合わないってだけ・・・
ということで、さっさとホーチミンを離れ、ベトナム有数のビーチリゾートなんて称されるニャチャンへ
でもね、イメージしてるようなビーチリゾートはそこにはなく、行ったみたがイマイチって感じる旅行者がけっこう多いらしい
正直なとこ、海だってそんなに綺麗じゃないし、リゾート開発は気合入れてやってる感はあるが、まだまだリゾートには程遠いかも?
かといって、漁港とか漁村って呼ばれるような素朴な雰囲気があるわけでもなく、ようはチョッピリ中途半端な感じの町
でも、今回わざわざカンボジアを通り抜けてまでベトナムに来たのは、この町に目的があったから!!
ここに何かがあるわけじゃなく、いつか再会を約束した人がいる
かれこれ5年前の話
初めてベトナムを旅した時、ここニャチャンを訪れた
早朝に着いたおれはたまたま偶然たどり着いた一軒のゲストハウスにお世話になることに決めた
当時、おそらく出来たばかりの宿だったのか、部屋も綺麗で設備も申し分ないわりに安くで泊まれ、満足のいく滞在だった
一階のレセプションスペースに犬がいて、暇なときは犬と遊んだりしてたもんだ
ゲストハウスというと安宿ってイメージがあるが、本来の意味合いとしては部屋が余っている家庭が旅行者に宿として提供する宿泊施設の事で、日本でいう民宿のようなもの
受付の後ろの部屋には家族の生活があったり、夜になったら扉を閉ざしてしまう宿もあるわけ
まぁ、基本的には“家”なんだから、あたりまえのこと
この宿もこの手の安宿で、家族で経営している小さな小さな宿だった
まったく英語を解さないオバちゃんが切り盛りしていて、コミュニケーションはほとんど取ることは出来なかったが、たぶんおそらくスゴく親切な人だった
仕草や表情、その他もろもろから、おれは少なくともそう感じた
2泊か3泊してニャチャンからベトナム中部の町ホイアンに向かったのだが、バスのお迎えが来るまでオバちゃんはずっと付き添ってくれて、予定時間を過ぎてもお迎えが来ないのを心配しては旅行会社に電話をかけてくれたりとなんだか出発ギリギリまで世話になった
それから約一年後、おれは再びニャチャンを訪れることになった
もちろん以前お世話になったこの宿に直行
チェックインの時、どうやら世話になったオバちゃんはおらず、翌日部屋から出てきた時にオバちゃんに呼び止められた
「あんたー!!ここの宿のこと覚えてるか??一年前にも泊まってるんだよ!!」
ベトナム語だったが、たぶんこんな意味合いだと思う
オバちゃんは一年前の宿の台帳を引っ張り出してきて、当時おれが記入したページを見せてスゴく嬉しそうにしてくれていた
「あんたからもらったお箸は今でも大事に使ってるよ!!世界一の箸だよ!!」
これもベトナム語なのでたぶんこんな感じだと思う
そう、前に来た時、お世話になったお礼にと思い、日本のお箸をあげたのだった
当時、なぜにおれが日本の箸なんかを持ってたかというと、旅に出るおれに餞別にと箸をくれた人がいたが、一度も使う機会がなく、かといって捨てるのも忍びなくて、ずっとバックパックの底の方で眠っていたのだ
そんな再会があって、また別れの時
その頃、おれはアクセサリーを作りながら旅をしていた
手作りアクセサリーを売って生活費を稼いでいたわけではなく、ただの暇潰しと友達へのお土産用に作っていただけなので、かなりお粗末な素人仕事だったのだけど
もちろんそのお粗末な出来のアクセサリーをあげた
それでもひどく喜んでくれたオバちゃんは、子供たちの分も欲しいといってくれ、いつもレセプションスペースで遊んでいた息子と娘と思われる子供たちににもひとつずつプレゼントした
「次はいつニャチャンに来るんだい?」
これももちろんベトナム語だから・・・
いつか分からないけど、いつか必ず!!どこまで通じたかわからないけど、こう約束したおれはその約束を果たすため四年ぶりにニャチャンへ!!
あの頃、建設中だった建物は立派なホテルになり、リゾート開発も着々と進んでいる様子
ビーチ沿いには、なんだかよく分からないタケノコみたいなモニュメントが生えてた
4年も経つと町の様子も変わるもので、以前は交差点やちょっとした日陰にはだいたいあったベトナムコーヒーの屋台も数が減ったように感じる
昼間っからロクデナシオヤジ達が集まって談笑したり、賭けトランプをしたりしてる隣でコーヒーを飲みながら通りの往来を眺めるのが好きだった
こういうところで飲むコーヒーが安くてホントに美味い!!
レストランで飲むコーヒーの三分の一以下の料金で飲めるしね
変わらないのは町外れの丘の上にある教会
ベトナムに教会って意外な気がして、なんかそれがいい感じ
今回もオバちゃんとの再会を楽しみに宿へ向かったが、残念ながらオバちゃんの姿はなく、受付には見知らぬ少女がひとり
でもなんか、その娘の反応が変な感じ・・・
「私、あなたに会ったことあるよ!!」
娘さんはカタコトながら少し英語を話すので間違いない
えぇー、もしかしてあの時の子供!?
頭の中の片隅にある4年前のメモリーを引っ張りだしても、顔までは出てこないが、ちょうど今ぐらいの年齢になっていそうな子供だったような気がする
アクセサリーをあげた時、ハニカミながらお礼も言えなかった娘っ子が今じゃスッカリ看板娘になっているとは・・・
オバちゃんの所在を聞いてみたが、イマイチ英語が通じなかったので不明だが、まぁしばらく滞在してるうちに会えるんじゃないかと思っている
やっぱり今回も思い出深いニャチャン滞在になってしまいそうだ
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