夜の街が好きだ
昼間とはまたちょっと違う性質の夜の街
この世界でしか生きていけない人種もいる
たぶん、おれもそのひとりなのではないか・・・
仕事・・・
濃紺スーツに身を包み企業戦士サラリーマンなんてやってられねぇー
というか、やったこともないし、雇ってもらえるはずもねぇー
求人情報誌片手に面接に駆け回る気もない
自慢じゃないが面接やその類い、ほとんど受からないというジンクス持ち
夜の街の人間は突然!
正直いうと、もうちょっとこのダラダラ暮らしを続けたかったかも?
退屈だけど、それはそれで嫌いじゃない
深夜2時、鳴り響く携帯電話の呼び出し音・・・
「起キテル?」
「起きてますよ」
「仕事ノ話、明日、ダイジョウブ?」
「はいはい、じゃあ明日」
突然の電話で突然の呼び出し、ひとり向かう夜の街
一年半フラフラ好き勝手旅して帰ってきて、探さずとも仕事の方からやってきてくれるんだから、恵まれてるといえば恵まれてる
ビジネスミーティングとは名ばかりで、酒飲んで飯食って雑談
「じゃあ、明日からヨロシク!!」
って、それはいくらなんでも突然過ぎでしょ?キリよく来月アタマからってことでヨロシクじゃないっすか?フツーは・・・
こんな簡単な会話で仕事が決まる
それもこれも、以前(もう5~6年前か?)働いていたお店であるということに加えて、世話になってたボスってのが外国人(超×3強面のイラン人)であるということ、さらに辞めてた後もボスとの交流があり、いつかまた一緒に仕事をしようとラブコールを受けていたこと
そもそも、ここのお店で働き出した当時も意味不明な展開があって、気がついたら夜の街でイラン人と働くことになっていた
おれとイラン人ボスの間にファンキーなオヤジたちが2~3人カラんでたっけ・・・
まっ、ある意味で特殊な環境なのかもしれない
ということで突然に来月から社会復帰が決定!!
夜の京都、高瀬川を目の前におれはまたケバブを売る
ムスリム料理なのに酒なんて売るなー!って感じはあるけど、お酒もガンガン販売中、むしろバー営業の方に重点を置いてる感じもする
ただケバブはけっこう美味い!と本場の味を経験してきたおれは思う
中東で散々嫌になるほどケバブを食ったけど、なかなかうちの店の味を超える物はなかった
水タバコも吸えるし、ファラフェルも食べれるあたりは変わり種
ノリ的にはバンコク カオサンロードとかにありそうな店だから、おれみたいなヤツでも働けるわけ
営業時間はもちろん“from dusk till dawn”、労働時間は楽勝で労働基準法なんて完全無視、給料だって時給に計算したら最低賃金なんてブッチ切りだ、飲食業界なんて、ハッキリ言って好きじゃないと出来ない仕事だと思う
でも、おれには合ってる職種かなって思う
ボス(オーナー)って役職は遊ぶのが仕事だから、仕事中はひとりだし気楽、好きな音楽は流せるし、TVも有線放送を引いてるから映画だって見放題、ヒマだったら本も読めるし、ギター持って行って弾いてるのはさすがにマズいかもしれないけど・・・、勤め人に比べたら仕事中でも案外自由である
この不景気だしな・・・、ハリキリ過ぎても疲れるだけ
自分のスタンスはそのままに、ゆっくりのんびり、そこそこがんばる!それぐらいがちょうど良い
朝陽が眩しい、夜の生活が始まる
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