マナリの町は小さい。
だからドイツ人のカップルともしょっちゅう顔を合わせる事になり、その度に食事に行ったり、カフェをしたりした。
とある食事の席で、女子はレディース・トーク(おもにインドのトイレ事情)で盛り上がってる時、男子はというとバイクの話になり、女子に一日お留守番させてバイクを借りて走りに行こうという事になった。
翌日、ドイツ人の兄ちゃんとバイクを借りてロータン峠へと向かった。
インドのバイクはなかなか乗りこなすのが大変だった。
手元は日本のバイクと一緒だが、足元が左右逆で右シフトの左ブレーキ、しかもシフトチェンジも反対でファーストギアが上でセカンドからは踏み込んでいく方式。(バイクに乗らない人はなんの事やらサッパリだと思うが・・・)
しかもブレーキの効きはすこぶる悪いくせに、ちょっと強めに握るとすぐにタイヤにロックがかかる。
さらにギアの入りも悪いし、オイルは漏れてるし、ガソリンタンクのキャップも閉まらない。
日本だと絶対に車検を通らない廃車寸前のボロバイク!!
排気量500ccのボロバイクにまたがり山道を進む事、3時間・・・。
ロータン峠に到着!!
標高4000mの峠から見るヒマラヤの山々はスゴイとしか言いようのない景色。
まさに息を呑む景色とはこのこと!!
富士山にも登った事がないのに、富士山より高い所にバイクで来てしまったんだな・・・。
今までバイクを運転してきて十数年になるが、今までに経験したことのないエキサイティングかつスリリングなツーリングだった。
だって、道路にガードレールはなくすぐ横はガケ、未舗装のガタガタ道にぬかるみあり、おまけにインド人のクレイジーな運転の車がビュンビュン走ってる・・・。
何度も転びそうになり、冷たい汗が背中を流れた・・・。
苦労の果てに見れる絶景!!
今夜、マナリを離れインドのなかの異郷、ラダック地方のレーを目指す。
深夜2時発、標高5000mの山をふたつ越え夕方6時にレー到着という強行スケジュールだ・・・。
覚悟を決めて行くしかない!!
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