男の勲章

それは魚の頭が空から降ってるような不思議な日だった



昔々、子供の頃、近所のおにいちゃんの口癖

「傷は男の勲章だ」

と、よく転んだで擦りむいたりしてたガキ頃のおれに言ってくれてた人がいた
傷跡が残ったりしても男は気にしちゃいけない、それが勲章なんだから

今、あのおにいちゃんはどこでなにしてるんだろうか？

大人になった今、傷を作ることも少なくなった

それが先日のこと・・・
目が覚めたおれは血だらけでクッションに横たわっていた
なぜかテーブルにはひと口だけ食べた大盛りペペロンチーノ

顔面に数カ所の擦り傷と両方の手にえぐれたような傷
ヒザにヒジ、他にもいろんなところが痛い・・・

記憶をさかのぼる旅に出る

あの夜、月がだいぶ満ちてきてた

店内、なんだか騒がしく



表でダウンする人も



さらにその連鎖は続いて夜は増々深くなっていく



だんだんとほどけていく記憶の糸



もうそろそろダメだぁあぁぁあぁぁぁ



空が白み始めた頃、このあたりからおかしくなり始めたんだ

月が満ちてきてる、月の引力が増す
どんどんどんどん引き寄せられていく・・・

どこをどう帰ったのかさえわからない
自転車が家にあったので、自転車で帰ったようだ

それが悲劇を生んだ

自転車で転倒、その傷が今も残る・・・

先週はいろんなことがあった、ケガしたのもひとつ

社長から母国イランに帰国するとの報告を受ける
いやいや、いくらなんでも突然過ぎる・・・、自由過ぎっすねー！

不在中のお店の段取りに頭を悩ませる

今日からしばらくの間、おれは本店勤務、二号店は別の人に任せる

心配事や不安で心がいっぱい
どうなるんだ？どうなるんだ？どうなるんだ？

まあ、なるようにしかならないんだけど・・・

月が満ちてきた、今宵フルムーン、満月の夜
月の引力とアルコールが強烈に結びつくフルムーン

ココロに傷があるこんな時、非常に危険なフルムーンパーティー！

今夜、おれは荒れる予感