ついに1年と6ヶ月の旅を終えて帰国
ズボンのポケットに穴でも開いてたんじゃないかと思った
使い切れないと思ってたタイバーツ、気がつけば空港までのタクシー代と毎回恒例のフライト待ちの間に食べる“バーガーキング”代ぐらいしか残ってなかった
いったい何に使ったんだろうか?
バンコク、スワンナプーム国際空港のチェックインカウンターはガラガラ
おかげで烈に並ぶ面倒なこともなくすんなり事が進んだ
フライト待ちの間に食べる“バーガーキング”
ハリキってキングサイズにしたらお金が足りなかったので、残念ながら普通サイズ
どうせキングサイズにしても食べきれないんだけど、これも恒例の習わし
飛行機って好きじゃない、実は怖いのだ・・・
落ちそうな気がするとかってわけじゃないけど、テイクオフの前の加速感と浮き上がる瞬間のふわっという感覚が気持ち悪く、なぜだか乗ってる間中落ち着かない
したがって眠ることはほとんど出来ない
ベトナム、ホーチミンで乗換え、3時間待ち
高くて不味いコーヒーを飲んで時間つぶし
いやだね、貧乏人って・・・、直通便に乗れないんだから・・・
関西国際空港着、朝7時・・・
久しぶりに帰って来た日本だけど、帰ってきたなぁという感じはしなかった
ただ、今までいた国とは違う国に来たという感覚
YOKOSO!JAPAN!!ふーん、変な感じ
入国手続きを済ませて、税関の荷物チェック
税関ってお酒やタバコやなんかの荷物チェックというよりは、実際のところ麻薬の持ち込みのチェックをしてる感じ
特におれみたいなアジア帰りの小汚い貧乏旅行者にはチェックが厳しい
他のツーリストが「おかえりなさい」と声をかけられ通過していくなか、やっぱり止められた
「こういうの持ってないですか?」と目の前に差し出される“麻薬の写真入り冊子”
こんな冊子が用意されているとは知らなかった・・・
もちろん答えは「No!」Yesというバカはいない
「少しお話を聞かせてもらいたいので、あちらへお願いします」と別室へ
警察の取調室のようなところを想像していたが、つい立てで遮られたちょっとしたスペースに無機質なテーブルとパイプイス
こういうのって“見た目”の印象なんだろうなぁと心底自分の見た目が嫌になってしまう
これは何も税関に限らず、旅行中でもほぼ99%ぐらいの高確率で“愛煙家”だと思われてた
何も怪しい物は所持していないし、そもそもまったく怪しい遊びに手を出してもいない
純白の潔白なので、おれとしてはスーパー強気!!
担当に当たったのは若い職員、おもしろそうだからちょっとからかってやろう
「おい、お兄ちゃん、徹底的に調べるんやったら、服脱いで裸になったろか?」
と、言ってみたところ・・・
「いやいや、そこまではけっこうですけど、靴だけ脱いでもらってもいいですか?」
それでもやっぱり靴は調べられるんだ・・・
と、20分ほど談笑しながら徹底的に手荷物のチェック、身体検査を受け解放!
ダルいなぁー、ホントに!!
空港から“関空特急はるか”に乗り込み京都へ
1年半ぶりにたどり着く地元の町
地元はやっぱり落ち着くといいたいところだが、どうもやっぱり帰って来たという実感が湧かない
ひさしぶりの実家
新しい家族が増えてた
旅に出た翌日にやってきた犬、当時生後6ヶ月
それが今じゃやや太り気味の2歳の成犬
どんな顔をするのかと会うのを心待ちにしていたのだけど・・・
なんだか微妙な反応を示されて興ざめしてしまった
なんか犬らしくない態度の犬、まるで自由気ままなネコみたい
名前を呼んでも反応なし、初対面だというのに警戒もなし
へんなヤツだ・・・
帰国当夜、さっそく友達たちと久しぶりの再会
もちろんツマラナイお土産も忘れず持参
居酒屋で飲む久しぶりの日本のビール
旅してる間に結婚したヤツ、同棲を始めたヤツ、もうすぐ二人目が生まれるヤツ、相変わらずのヤツ、無職になってたヤツ・・・
でも、みんなあんまり変わってないやー!!
おれは変わったかな?変わってないかな?どうだろう?
髪が長く伸びた、日焼けが沈着して肌が浅黒くなった、そんなもんぐらいかな?
みんな家族や生活があったり、仕事があったりと忙しいはずなのに集まってくれるヤツら
それが友達
日付も変わる頃になってやっと、長い旅を終えて帰って来たんだー!って実感が湧いた
てか、みんな翌日仕事があるんだから、早く帰れよー!もうとっくに終電はなくなってるよ
歩いて帰って行くヤツ、自転車のヤツ、タクシーを拾うヤツ、それぞれがそれぞれの場所へ
最後に残る、無職のふたり(ひとりはもちろんおれ)は金はないが、時間はある
歩くか?地元まで?
深夜の国道を家路に向けてとぼとぼ歩いた
休憩がてらラーメン、飲んだ後の深夜のラーメン、これがまさに脂肪の元
若かった頃はペロっと平らげられたのに、今じゃなんだか食べ切れず残してしまった
オナカがいっぱいになったら疲れが一気に襲ってきた
そういえば、家に帰ってからも寝る時間もはなくて、ずいぶん長い時間眠ってない
ヘイ、タクシー!!歩いて帰れるはずもねぇー、遠すぎるよ
時間は人々に平等に過ぎていくけれども、旅をしていた時はときどきちょっとだけゆっくりだったり、ときどきちょっとだけかけ足だったりした気がした
1年と6ヶ月という期間
長かったような気もするし、あっという間だった気もする
もしかしたら自分の中では旅に出た日から時間が止まっていたような気さえもする
でも確実に過ぎた1年半という時間
過ぎていく時間の中で変わっていくモノ、変わらないモノ、きっとどっちも大切でかけがえのないモノ
ただいま、日本!
[6回]
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